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京の老舗フルーツパーラー『ヤオイソ』のフルーツサンド
京の老舗フルーツパーラー『ヤオイソ』のフルーツサンド

定番のフルーツサンドのほか、6月から9月頃に味わえるいちじくサンドなど季節限定メニューなど果物をふんだんに使った様々なメニューが味わえます。

平安時代から京都の主要幹線道路として賑わってきた四条通と大宮通が交わるところ、四条大宮。まちなかのターミナル駅前なのに、どことなく懐かしい雰囲気が漂うこの界隈に、明治2年(1869)創業の老舗果物店『ヤオイソ』本店があります。この店が昭和47年に開いたフルーツパーラーを、名物のフルーツサンドをお目当てに訪れてみました。

店内に入ると、まず目に飛び込んでくるのが壁面をダイナミックに彩る果物の絵。これは独創的な作風で知られる画家、木村英輝氏による作品です。「もともと本店の2階で営業していたフルーツパーラーを独立店舗としてリニューアルする際、知り合いの伝手で木村さんとお話する機会があってトントン拍子に話が決まったんですよ」と語ってくださるのは、店主の長谷川良子さん。創業者から数えて六代目にあたり、夫の尚史さんとともに本店とパーラーを切り盛りしておられます。

ポップで優しい色調のソファ席で壁画を眺めていると、ほどなく旬のいちじくサンドが運ばれてきました。ちょうど食べ頃に熟した大粒のいちじくが大きめにカットされ、生クリームとともにフワフワの薄切りパンに挟まれています。果実の瑞々しい断面に見とれつつ、まず一口。ごく軽やかな口当たりのパンと、控えめな甘さの生クリームに引き立てられて、完熟いちじくの濃密な味わいが迸(ほとばし)るように口の中に広がります。

「いちじくは、夏から秋にかけての期間限定。旬の果物を使うので、季節ごとにメニューは変わります」と良子さん。

通年味わえる、定番人気のスペシャルフルーツサンドもいただいてみました。苺やキウイ、メロン、パパイヤなどが、これまた果物専門店ならではの新鮮さとボリューム感でたっぷり入っています。長年のファンが多いのも納得の味。

「フルーツパーラーを始めたのは私の父で、フルーツサンドは開店当初からのメニュー。私の代になって、店内の内装や食器は変えましたが、その時期に一番おいしい果物を、一番おいしい状態で味わっていただいてこそ果物専門店という気持ちは同じ。これからも、果物が食べたくなったら『ヤオイソ行こか』と思い出してもらえる店でありたいと思っています」。

秋が深まる頃には、柿や栗のサンドイッチもお目見えするとのこと。
四季折々のフレッシュな季節感を味わいに、また再び訪れたいお店です。

明治2年に八百屋として創業し、戦後、果物専門店になったヤオイソ本店。四条大宮駅前の本店は進物用の高級フルーツから家庭で気軽に味わえる果物まで豊富な品揃えです。

明治2年に八百屋として創業し、戦後、果物専門店になったヤオイソ本店。四条大宮駅前の本店は進物用の高級フルーツから家庭で気軽に味わえる果物まで豊富な品揃えです。

画家・木村英輝氏による壁画が印象的なフルーツパーラーヤオイソは、2012年に本店2階から4軒東隣へ移転。

画家・木村英輝氏による壁画が印象的なフルーツパーラーヤオイソは、2012年に本店2階から4軒東隣へ移転。

Information
フルーツパーラー ヤオイソ
下京区四条大宮東入ル立中町496
TEL:075(841)0353
 

ヤオイソ 長谷川 尚史さん 良子さん

ヤオイソ 長谷川 尚史さん 良子さん

「うちの父がフルーツパーラーを開店し、私はこの店と一緒に成長してきました。だから愛着もひとしおです。遠方からフルーツサンドを食べに来てくださるお客様もいらっしゃるので、期待に応えられるよう、夫とともに頑張っていきます」と良子さん。

ヤオイソ


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