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午年こそ、伏見稲荷大社の初午大祭へ
午年こそ、伏見稲荷大社の初午大祭へ

初午大祭の様子。柱に結ばれているのが、稲荷山の杉と椎の枝で作った「青山飾り」です。

「おいなりさん」

 京都だけではなく、全国の稲荷神社に縁のある方々が、身近な神さまとして口にする呼び名です。その呼称にいつも滲(にじ)む、敬意と親しみの温もり。全国に3万社ほどあるといわれる庶民信仰の社「おいなりさん」の総本宮こそ、伏見稲荷大社です。

 今から1300年以上前、おいなりさんが稲荷山に鎮座されたのが2月の初午の日。その始まりの日をしのぶ習わしが、初午大祭です。2日前の辰の日に稲荷山の杉と椎の枝で作った“青山飾り”をご本殿などの柱に飾り、前日の巳の日から参詣の方々でにぎわいます。福参(ふくまい)りとも呼ばれる京洛初春第一の祭事です。

 「その昔、初午への参詣のしるしに稲荷山の杉の小枝をいただいて帰郷することが流行しました。少々大げさですが、『きさらぎや けふ初午のしるしとて 稲荷の杉は もとつ葉もなし』なんて歌が詠まれたほど。“しるしの杉”と呼ばれ、今では商売繁盛・家内安全のしるしとして参拝者に授与しています」とお教えいただいたのは、禰宜 岸さん。

 今では広く商売繁盛の御利益があるおいなりさんですが、もともと稲荷の由来は稲の生育をあらわす“稲生や稲成”だったそうです。身近なおいなりさんの存在は、私たちの主食である米をはじめとした農耕の神さまとして信仰を集めてきたことからでしょう。
 「お稲荷さんに詣でれば、伏見稲荷大社の本殿は、4方向から参拝ができるつくりになっています。これはとても珍しいことで、おいなりさんが庶民に対してオープンな姿勢でいるのかもしれません」

 田に福が来ることが、お多福の語源のひとつだと言われます。授与されるしるしの杉にお多福が添えられているのには、参拝の皆さまに一年を笑って過ごしていただきたいという想いが込められているからだそうです。

 初午大祭は、参拝者に福をもたらす新年にふさわしい祭典。いつの時代もおいなりさんは、人を笑顔にしてくれる神さまでした。

平成26年の初午は2月4日です

 

伏見稲荷大社宣揚課長 禰宜 岸朝次さん

伏見稲荷大社宣揚課長 禰宜 岸朝次さん

「初午大祭には、毎年10万〜15万人が参拝されますが、千本鳥居までで足を止める方がいらっしゃいます。ぜひ、稲荷山を上ってみてください。おいなりさんの原点ですから」。


八重が愛用したと言われるオルガン。ペダルにレリーフが施された日本製のリード・オルガンです。

初午大祭に授与される“しるし”の杉。参拝者にご利益をもたらすお多福も添えられています。

写真

稲荷山へと導く千本鳥居。最近では海外からの観光客からも人気を集めています。

Information
伏見稲荷大社
京都市伏見区深草薮之内町68番地
TEL:075(641)7331

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