『とゝや魚長』はをけら詣りや初詣でにぎわう八坂神社のすぐそば。華やかな一面、質素堅実を兼ね備える祇園の地で一〇〇年以上続いた鮮魚と仕出しの店でした。ところが「調理したものを、その場で食べてもらうのが一番旨いはず」と、三代目寺田泰雄さんは魚料理とおばんざいの店へと変身させてしましました。
 そんな魚長さんに『とゝや豆腐』という一品があります。魚好きのご主人のお嬢さんが鰹のタタキを冷奴にのせて食べているのにヒントを得て、お店の献立に入れました。生魚と豆腐の思わぬ取り合わせですが、売れ筋ナンバーワンのメニューだそうです。
 美味しい豆腐と旨い魚があったらできそうと、その作り方を教えてもらいました。


とゝや魚長 ご主人
寺田泰雄さん
 

豆腐・・・・・・・・・・・・・・一丁(約400g)
季節のお造り魚・・・・造りの6切れほど
醤油・・・・・・・・・・・・・適量
〜薬味〜
土生姜・・・・・・・・・・・・適量
にんにく・・・・・・・・・・・適量
アサツキ・・・・・・・・・・・適量
白ねぎ・・・・・・・・・・・・・適量
きざみ海苔・・・・・・・・・適量



(1)
腐は奴に切り、ティースプーンで豆腐に小梅の大きさのクボミを作る。
(2) 季節のお造り魚を5ミリ角のさいの目に切る。
(3) お好みの量の土生姜、にんにく、アサツキ、白ねぎを刻む。
(4) 豆腐のクボミにさいの目に切った魚を盛り付け、刻んだ薬味、きざみ海苔をのせる。
(5) 適量の生醤油をかけ供す。
 

寺田さんによると『近所の豆腐屋の二〇〇円の豆腐』と言うことですが、豆腐そのものの味を活かした献立ですので、上質の豆腐をお使いください。木綿ごし豆腐がお勧めですが冷やしすぎると食感が悪くなります。
季節のお造り魚は鮮度の良いものを、昨日のお造りの残りではだめですよ。赤身のお魚を使うと彩り良く仕上がります。今が旬のヨコワが一番でしょう。

とゝや魚長
京都市東山区祇園石段下下ル三筋目角 TEL075(561)4346
カウンター席の良心的な価格の店、料理は旨いがいつも満席なのが難。