私の実家は金沢兼六園の近く『すし捨』という寿司屋です。料理を覚えるなら京都でと高校卒業と同時に南禅寺順正にお世話になり、早五年、自分では随分腕を上げたと思っているのですが?
 ところで金沢の氷室饅頭ってご存知ですか。加賀藩は兼六園の氷室で蓄えた氷を、神社に饅頭を供え無事到着を祈願し、旧暦六月一日に江戸幕府へ献上しました。庶民はこれにあやかり麦饅頭を氷室饅頭と呼び、無病息災を願い食べるようになり、今でも七月一日の和菓子屋には長い行列ができます。
 京都でも同じように、北山に蓄えた氷を御所に献上し、庶民は氷に見立てた半透明の外郎の上に邪気を祓う小豆を散らした水無月という菓子を食べます。古い都市にはよく似た風習が残っているものですね。
 さて今回は、調理長に『お前のまかないもなかなか良くなってきた』と褒められた豆腐ドレッシングを使ったサラダを紹介します。夏向の口当たりが良い一品です。
 



材料(四人前)

トマト(中)・・・・・・・4ケ
鳥のササ身・・・・・・・・・50g
葛切り・・・・・・・・・・100g
水菜・・・・・・・・・・・・適量
黒胡椒・・・・・・・・・・・・少々
塩・・・・・・・・・・・・・・少々
  ドレッシング

木綿ごし豆腐・・・250g 
大葉・・・・・・・・・・・10枚 
出汁・・・・・・・・・・大さじ2.5
酢・・・・・・・・・・・・大さじ2.5
砂糖・・・・・・・・・・大さじ1 
薄口醤油・・・・・・・小さじ2 
塩・・・・・・・・・・・・大さじ2 







  作り方

1・葛切りをもどす。

2・トマトを湯むきし、中身をくり抜き釜を作り、中身 は種を取りさいの目に切る。

3・ササ身は筋を取り塩胡椒し焼いたあと細かく裂く。

4・ふきんで包んで軽く押し置 き水を切った豆腐をすり鉢 でクリーム状にする。

5・大葉もすり鉢でよくすった あと、クリーム状にした豆腐 を合せ出汁、酢、砂糖、薄口 醤油、塩を加え味を調える。

6・トマトの釜に葛切り、ササ身、 トマトと1cmに切った水菜を 入れ、ドレッシングをかける。


できあがり!!

木綿ごし豆腐のほうが水を切りやすく、この料理にむいています。
ドレッシングの材料は、豆腐の水分量に応じて分量を変更してください。酢を加えた後、時間が経ちますと折角の大葉の緑が飛んでしまいます。
オクラなどを添えると彩り良くなります。下ごしらえのできた材料は、よく冷やしてから盛合わせると良いでしょう。

南禅寺順正
京都市左京区南禅寺門前
TEL 075(761)2311