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大本山南禅寺で、一枚の座布団の上から自分を見つめる”早期座禅体験”のすすめ。

  多くの観光客を魅了した紅葉も散り果て、京都洛東・南禅寺はきびしい底冷えの時季を迎えます。その名の通りここは禅宗のお寺。毎月二回早朝に無料の暁天坐禅が行われています。坐禅といえば棒でピシッと叩かれるイメージがつきもの…。「うちでは警策(棒のこと)で叩くことはしません。でもリクエストがあればお応えしますよ」とにこやかに坐禅のすすめを説いてくださったのは、南禅寺教学部長田中節孝師。あれは雲水が長い修行の最中に疲れて眠ってしまった時に注意を促すためのもので、「一時間の体験坐禅では必要ない」とは師のお考え。「坐禅とは自分自身を見つめる修行です。私たちは日々往々にして自分の望まない、しかもどうにも動かし難い〈現実〉と直面しながら生きています。でも坐禅を組んでいる間は、人はみな座布団の上にしか存在しないんです。確かに私たちの過去はどうにも出来ないですし、そして未来はどうなるか分かりません。でもその間でどんな現実を抱えようとも結局は、座布団一枚に収まる“自分”のなかの出来事。ほんの一時間ですが心穏やかに坐禅を組むことで自分の大きさ、そして自分の尊厳を感じてほしいですね」。数年前の暁天坐禅で師より禅の手ほどきを受けたオランダ人女性が、先日も祖国で禅寺を開いたそうで、「海外にも暁天坐禅で禅門に入った弟子がいるんですよ(笑)」と胸を張ってお話になりました。師の弟子と自称する人にお聞きすると、師はなかなか痛快な方とか。一度皆様も、大本山南禅寺で坐禅を体験されてはいかがですか?

南禅寺

南禅寺教学部長 田中節孝 師
南禅寺教学部長 田中節孝 師
南禅寺

 
南禅寺
京都市左京区南禅寺福地町
TEL 075(771)0365
 


暁天坐禅(南禅院) 〈無料〉

〈坐禅と法話〉
第2・4日曜 (8月は休会、12月第4・1月第2日曜は休会)
午前6時〜7時 (11月〜3月は6時30分〜7時30分)

1名から参加可能[必ず事前連絡の上、お越しください]

TEL 075(771)0365
団体坐禅(本山・法堂ほか)

料金(いずれも一人)
小学生 200円
中学生 300円
高校生 400円
大学生 700円
一般 1,000円
※宿泊研修も可能です。
(別途志納金)

TEL 075(771)0365


記念大祭

 二〇〇四年に南禅寺開基亀山法皇の七〇〇年御忌を迎えるのを記念して去る十月十五日、同寺で鎮守社「綾戸大明神」の記念大祭が行われました。これは明治の神仏分離以来、初めて神職と僧侶が同席する神仏習合の形で行われた行事。当日は清水寺の本尊開帳時に賑わせた青龍会も境内を練り歩き、お祭りムード一色に。偶然居合わせた観光客の方々も大いに楽しめた記念大祭となりました。

青龍会 石見神楽 (写真左)南禅寺順正の東隣にある綾戸大明神と「青龍会」の皆さん。
(写真右)南禅寺三門下では色鮮やかな「石見神楽」が披露されました。

瑞祥亀龍

 綾戸大明神の縁起によると、門前綾戸小路に住む亀山法皇の牛飼の舎人が醇酒を造り献上し、法皇に愛飲されました。この牛飼の舎人の死後、霊現がありこれを祀ったのが綾戸神社だと伝えられています。今回の綾戸大明神記念大祭にあたり、故事にちなんで御神酒「瑞祥亀龍」が奉納されました。ラベルの文字は、南禅寺派の中村文峰管長の筆によるものです。

神職と僧侶 神職 神職と僧侶が同席した神仏習合の記念大祭。御神酒「瑞祥亀龍」が奉納されました。