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京都から五里、奈良から五里の位置にあることから“ゴリゴリ(五里五里)の里”と呼ばれ、かつては木津川水運の中継地として栄えた京都府城陽市。その京都・奈良を結ぶJR奈良線山城青谷駅近くの古い街並みの一角に御神酒「瑞祥亀龍」の蔵元、城陽酒造があります。「南禅寺の牛飼いの舎人とはいきませんが…」と、社長の島本安さんはおっしゃいますが、こちらは平成になってからでも何と八回も全国新酒鑑評会で入賞している、知る人ぞしる銘蔵。この辺りは山城の豊かな伏流水が湧き出る処、茗荷などの水耕栽培も盛んで、「地下一〇〇mから汲み上げる清らかな水は、丸く柔らかな口当たり。そして米も品質が確かな一〇〇%京都産の酒米を使っています。受賞する酒に求められる“磨き上げる味”ではなく、この地ならではの素材や水の美味しさを生かし、もっと身近な酒造りに力を注いでいきたいのです」と島本さん。事実こちらで一番人気なのが、『たれくち酒』という搾ったままの原酒。日本酒は十月中頃から仕込みを始め、十二月には新酒が出来上がりますが、毎年この一番絞りのお酒を楽しみにしているファンも多いそうです。「うちの日本酒は“こんな料理に合う”と表現したくない。あえていうなら京料理をはじめ、どんな料理にでも合いますよ(笑)」。 |

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「洋酒や中国酒に凝ったこともあるけど、やっぱり日本酒が好きですね(笑)」。島本さんのこだわりは日本酒にとどまらず、近隣の青谷梅林で採れる城州白という梅の実を3年以上漬け込む本格梅酒も造られています。
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