明治から昭和にかけての激動の時代を三十八年という短い生涯で駆け抜けた天才画家、岸田劉生(一八九一〜一九二九)。東京銀座に生まれ、十七歳で黒田清輝に学び主に東京で活躍した劉生ですが、一九二三年の関東大震災で家を失い、約二年四ヶ月京都で生活を送りました。自らを「海鯛(かいたい)先生」と称すほど、古美術蒐集と放蕩三昧に明け暮れた一方、日本美術の宝庫である京都で優れた美術品を鑑賞し集めることによって、劉生自身の美術的志向を再確認した重要な時期でもありました。京都市美術館で十月に行われる「劉生と京都」展では、劉生の京都時代にスポットを当て、知られざる側面をクローズアップします。今の時代も色褪せない美の巨匠の絵画を、秋の京都でたっぷりお楽しみあれ!

  〈京都市美術館〉

■営業時間:10時〜18時
■休館日:月曜日(祝日は開館)及び年末年始
■交通:市バス「東山二条」下車 徒歩3分
    市バス「京都会館美術館前」下車 すぐ
    地下鉄東西線「東山」駅下車 徒歩10分
京都市左京区岡崎公園内 TEL.075-771-4107